【イップス】解明されない病を克服する

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スポーツ界で近年、いまだ「未解明の病」として取り上げられる症状がある。これまでスポーツを続けてきた人はこの症状、もしくはこれに近い症状に見舞われた人がいるのではないだろうか。

「イップス」

まさにスポーツ人生を大きく左右する症状でもある。

そしてふとした時、不意の瞬間に発症する恐れがあるものでもある。現アスリート、今後のアスリートにも参考にしてほしい。

 

Contents

イップスの症状

イップスとは近年、スポーツ界で謎の症状として、その詳細の解明に苦労されている。

研究の一環として、北里大学の講師を務める永見智行はイップスの解明に取り組んでいる。

「イップスとはどういう症状かあえていうなら、もともとできていたプレーが、何らかのきっかけでできなくなること。力を加減しなければいけない動作ほど出やすい傾向にあります。ただ、イップスは定義づけが難しいので、『あなたはイップスです』みたいなことは言えません。病気のように『風邪です』とか『癌です』と確定診断はできない」

研究者の中には、イップスは局所性ジストニアの一種なのではと疑うものもいる。

局所性ジストニアとは、震えなどによって動作が完遂できなくなる症状のことで、音楽家や書家によく見られる。こういう症状でも脳疾患であれば、外科手術や電気刺激で改善することがあるが、イップスについては、今のところそのような報告はなされていない。

困ったことに、脳疾患なのか、運動障害なのか、、いまだにその正体が明らかでないというのが「イップス」なのだ。

 

イップスの原因

スポーツは大まかに2種類に分けることができる。

起動」のスポーツ「反応」のスポーツだ。

「起動」はボウリングやダーツのように、自ら動き出さなければ始まらない競技、「反応」はサッカーやテニスのように動いているモノやボールに対してリアクションを起こす競技。テニスもサーブ以外は「反応」の競技である。

イップスが多いのは、圧倒的に「起動」のスポーツである。その理由は、与えられた「時間的空白」が大きいことにある。

通常、一流プレイヤーは、その空白を「無」で埋めることができる。しかし、何かをきっかけに恐怖が充満してしまうことがある。それはたった1回のファウルや大きなミスをした時の、音や景色を感覚で体が覚えている。

そこから今まで「無」でできていたプレーに狂いが生じ始めるのである。

 

イップスの解決方法

イップスを解消する方法。結論からいうとその方法は明確に存在していない。症状がそれぞれであれば、解決策もそれぞれである。

初期の症状であれば、軽めの処置で収まるケースもある。

元プロ野球選手である大引啓次はその一人。プロの世界でこそ、名ショートとして鉄壁の守備力を誇り活躍したが、高校2年時にイップスに悩まされた。

大会が近づくにつれ、大引自身にプレッシャーがかかっていった。その後「スローイング」がうまくいかないようになった。今まで難なくできていたファーストへの送球も、ファーストに届かないということもあった。

当時の監督であった小林は、その大引をみて言葉で問いかけることはしなかった。イップスはかけられる言葉によって余計に悪化するケースもある。小林は特殊なスローイング練習を大引に課して、徐々に感覚を取り戻させた。普段しない体の動きを取り入れた送球練習で回復に努めたのだ。

「イップスとは頭のイメージと、実際のずれ。そのギャップを埋めれば、修正できる。ただ、そのズレは人それぞれですから、こうすれば治るとは言えない。イップスの原因は技術かメンタルかと議論されますが両方です。大引の場合は初期だったので技術的指導で戻りましたが、メンタルをやられていたら、そっちからアプローチしなければいけないこともある」

小林監督の対応は、イップスに対する成功事例だ。イップスにも段階があり、症状が悪化する前に正しい処置ができたことが解決につながった。この早期の対応によって、大引はプロで活躍する選手へのステップを踏んだ。

 

まとめ🌱

イップスは未だ謎が多い障害・症状となっている

✅イップスは「起動」(自ら始動して、間を作ることができる)スポーツに多い

✅イップスにはできるだけ早期治療が大事で、早い段階で処置を施すことが重要

 

失敗のないスポーツは存在しない。

だからこの症状にも「向き合う」姿勢が重要である。どんなことがきっかけで、いつ誰がイップスを発症するかはわからない。

そうなってしまった時に、逃げずに向き合えるかどうか。プロのアスリートも、正解のない中、何十、何百種類の解決方法を試している。単なるメンタル根性論、ポジティブシンキングを押していくような指導が合わない選手もいる。大引のように、機転を効かせた技術練習がハマる場合もある。

根性論ではないが、イップスという症状、その事実から逃げずに向かっていったか。

決してイップスに限った話ではないが、結果として、明暗を分けるのはその姿勢ではなかろうか。

 

 

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