鋭い観察眼がチームを救う〜メンタルコーチング③〜

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「メンタルに関する助けが必要なのは問題を抱えた人だけ」

そんな意見も確かにあるのが現状です。しかしそれはスポーツ心理学と医療心理学の混同だと主張するメンタルコーチがいます。

サッカー・スペイン代表のメンタルコーチを務めるホアキン・バルデース氏。スペインにおけるメンタルコーチの先駆者ともいわれています。

そんなコーチがいかにしてチームを支えているのか、またどんな役割をチームから期待されているのか。探ってみましょう。

メンタルコーチの役割って?

「心」の専門家というイメージがあるね!

 

アスリートのパフォーマンス向上に必要なもの

バルデースは選手のパフォーマンスの質をたけめるものは4つだと断言する。(出典:number 1007号 『メンタル・バイブル 2020』

  • 戦術
  • 技術
  • 体力
  • 精神状態

戦術と技術にはアシスタントコーチ、体力にはフィジカルコーチが担当。最後の精神状態にメンタルコーチが担当して監督の支えになり、このそれぞれ柱が自立していることが重要だと、バルデースは公言する。

 

メンタルコーチがすべきこと

中でも、精神状態の支援をするメンタルコーチの役割とは何か。

最重要事項は「チームにいること」と説く。これはアシスタントコーチ、フイジカルコーチ同様。コーチはチームを「観察し続ける」ことでその時々の状態を把握できるという。

そして、状態を把握した後にコーチが起こすアクションが重要になってくる。そのためにするのが「分析」だ。

チームが良い状態か良くない状態かを察知し、その状態によって提供するコーチング内容が決定する。かける言葉も与える目標もまるっきり逆になるのだ。

 

ではチームが良くない時(自信をなくしている時)はどうするか。

「チームが自信をなくしているとき、結果目標はパフォーマンスの低下を招きかねないので、結果が出る可能性を高める『行動目標』を立ててやる。結果目標と異なり、行動目標は自分次第で達成できる。だから自信を深めることにつながる」

 

ではチームが良い時(勢いに乗っている時)はどうか。

「俺たちは最強だと思い始めているようなら結果目標を与えて不安を抱かせ、慎重にさせる。あえてストレスの種を蒔く。我々の仕事に『やってはいけないこと』はひとつもない。全ては状況次第なんだ」

 

習慣を変えるには

バルデース氏は5歳から柔道を学んだ。

その柔道では「打ち込み」という練習があった。この練習の意図は同じ技を何度もくりかえして身体に覚え込ませ、考えることなくその技を出せるようにする。

バルデース氏はこの練習から得た学びが、習慣を変えるきっかけになっている。

「習慣を変えるときもこの練習と同様で、最初は意識的な努力が必要だが、何度もくりかえすことにより、やがて新しい動作が自然にできるようになるんだ」

メンタルコーチは自身でも体験していなければ言葉で語れない。スキルや技術に頼るのではなく、コーチにとってもっと大事なのは、自分の五感を通じて得た幅広い経験と知識だ。そこから言葉が紡ぎ出され、そして対処する術を知ることができる。

 

まとめ🌱

✅チームの精神状態を支援するのがメンタルコーチ
✅チームが良くない時は「行動目標」、良い時は「結果目標」を与える
✅行動の習慣化には、反復行動が必要

 

最も感じたことは、メンタルコーチにかかわらず、コーチにとって重要なことはチーム・監督・選手を良く観察すること。チームの状態をコーチ自身が把握することで、提供したいコーチングの内容も浮かび上がってくる。

観察→分析→提供

メンタルコーチは誰よりもチームの状態、変化に敏感である必要がある。

 

 

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