現在のスポーツ界では意見が二分化している理論がある。
これは競技のトップレベルであるプロの世界でも起こっています。
「ウエイトトレーニングは競技に必要か?」
この理論、近年はトレーニング科学の発達により、
少しずつその必要性が明るみになってきていますが、
まだまだ競技の特性によっては昔ながらの“自重”トレーニングのみを推奨するケースも多々あります。
その意見はプロの世界でも、意見が別れていますが、
その背景にはどんな考えがあるのでしょうか。
ウエイトトレーニングは必要なの?
プロアスリートの取り組みを見てみましょう!
Contents
ウエイトトレーニングの活用
ウエイトトレーニングの必要性
「ウエイトトレーニングによって体を大きくするのが流行っている。」
元プロ野球選手の稲葉さんがレジェンド・イチローへのインタビューで聞いた。
この発言にイチローが持論を展開するところから、スポーツ界にインパクトを与えることとなった。
「自分の持って生まれたバランスを崩してはいけない。トラとかライオンはウエイトトレーニングしない。」
イチロー(当時マイアミ・マーリンズ所属)がこのように発言したのは、
ウエイトトレーニングによって筋肉をつけて体を大きくすることは、
野球の上達の過程で“良くない”と持論を展開した状況にある。
この発言には確かな理由があった。
イチロー選手はシーズンごとにわずかに調整方法を変えている。
その中で自らの体を実験台にして気づいてきたことがある。
・シーズンを過ごしていく中で、トレーニングができなくなる
→体重が落ちる
→結果的に成績が向上していく
このことから何が見えてくるかというと、
ウエイトトレーニングの効果がではじめるオフシーズン、
冬の時期に体を作り、筋肉をつけたことが、シーズンでその効果が発揮されなかった
ということを実感しています。
大事なのはイチロー選手もウエイトトレーニングの効果を、
自らの肌で、身体を使って体感した過去がある、ということ。
失敗から学び、6〜7年間継続した結果、上記の発言が溢れ出ています。
ウエイトトレーニング推奨派
これに対して現メジャーリーガー、
ダルビッシュ有選手の発言も注目を集めました。
「イチローさんにケンカ売るわけではないけど、、」と前置きしたうえで自論を展開しています。
「トラとかライオンは元々身体能力が高い。だからこれまで身体能力で勝ててきた。今はシマウマがトレーニングして、ライオン達より強くなっている。だからライオンもトレーニングをしないといけない状況になっている。
自分たちが食べられないようになるためには、トレーニングして強くなるしかない」
つまり、トレーニング科学の発達によって、シマウマたち“弱者”が鍛え始めた。
するとトラ・ライオンの“強者”の存続が危ぶまれる状況になってきたのです。
つまり、以前は何も鍛えなくてもよかった、もともと能力の高かった種類の生物が、
そうは簡単な話ではなくなったということであり、大競争が起こっているのです。
そしてイチローのことについては以下のように語っている。
「イチローさんは、もともとめちゃくちゃ頭の良いライオンだった」
もともと戦闘力が高く、知恵もあることからあくまで“例外”であることと説明しています。
自己の体験を活かす
現在、日本プロ野球の「東北楽天」でプレーする涌井投手はこう話しています。
「そこに気づくのに、10年くらいかかってしまって。
そういう後悔もしながら、今があるのかなって思います」
その「後悔」とは、ウエイトトレーニングを指しています。
プロの世界に入ってから、しばらく順調な成績を残してきた涌井選手にも、
不穏な空気が流れ始めた。
野球界でも推奨されているウエイトトレーニング。
今は、全くウエイトトレーニングをしない選手はいないというくらい、
野球のピッチャーの間でも当たり前になっています。
涌井選手は、このウエイトを始めてから違和感があり、
事実、それはパフォーマンスにもはっきりと表れてしまっていたのです。
「どんどん遡っていくと、正直、ウエイトを始めたくらいから、体がおかしくなってしまったというか」
「結局、ウエイトトレーニングが自分には合わないなって。だから、一切やらなくなりました」
ここでも涌井選手は、ウエイトトレーニングによる体の不調を訴えています。
やってみて、自分に合わないことに気がついたのです。
「イチローさんも体形があまり変わらないじゃないですか。自分もそっち側だなって。結局、体を大きくしても、ダルビッシュみたいに扱えなかったら意味がないんで」
涌井選手はウエイトトレーニングを断ち切り、原点に立ち戻ったのです。
高校時代からの、いわば“習慣”であるランニングを多く取り入れる。
そして持久系だけでなく、チームのメニューに組み込まれているダッシュなどの瞬発系も精力的にこなす。
筋力アップを図る場合は、器具を使わず腹筋などで補っているのだという。
「本当に昭和のトレーニングなんですよね。自分にはそっちのほうが合ってるんで」
勘違いのないように補足をすると、涌井の練習量はものすごく多い。
そしてトレーニングをしていないわけではない。
そう言って笑うが、涌井の練習量は、楽天の若手や中堅選手も驚くほど。
あくまでも練習量は桁違いであることが、プロとしての体を支えている。
「若い子とかにトレーニングのことを聞かれたら、イチローさんの言葉を使うんですよ。『ライオンがトレーニングをして、あんなすごい筋肉を身に付けましたか?』って。結局は、自分の体に合ったトレーニングをすることが大事なんで、こういう表現で伝えたほうがわかりやすいかなって思うんですよね」
(参考:Number Web)
まとめ:まず体感してみよう!
✅失敗も自らの体で体験し、そして正解を見つけよう!
大前提、イチロー選手ほどの選手が
「ウエイトトレーニングは必要ない」と言っていても、
自らの体でウエイトトレーニングをやった効果を実感しているという事実があります。
ここは忘れてはいけない点ですね。
やってみて良くないとわかったことと、やらずに良くないと思うこととは違います。
僕の見解では、ウエイトトレーニングの要・不要はその選手のタイプやスタイルによって異なり、
決めつけることなく、自らの体で感じてみて判断するのが正しいのではないかと思います。
トッププロの選手たちも、時間をかけて、やってみてようやく答えを導き出してますね。
答えは一つということはないので、新しいものを試す気持ち、
変化することを恐れない勇気を持っていたいですね!