「弱さ」に向き合う「強さ」〜メンタルコーチング①〜

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今日は、メンタルコーチの役割に触れながら、アスリートとのまさに「二人三脚」について紹介します。

私もアスリート自身のメンタル向上、逆境時の向き合い方などに興味があります。メンタルはとても繊細なもので、その鍛え方に模範解答はありません。人によって、バックグラウンドも性格も考え方も異なるので、一人ひとり丁寧に向き合う必要があります。

今回は野球界から、日本を代表するヒットメーカー 内川聖一選手のメンタルに向き合います。


       (写真:時事通信社

 

Contents

メンタルコーチの実態

現在、「メンタルコーチ」はプロチームに限らず、いち企業、選手個人、部活動にも求められる存在になっている。

そのコーチの背景を辿ると、臨床心理士、経営コンサルタント、スポーツ心理学者など、それぞれ異なる経歴から参入している。

選手との距離感の取り方、壁の乗り越え方、他指導者との連携の仕方。それぞれにそれぞれのやり方が存在する。絶対の正解はない。

大事なのはその選手との信頼関係、相性だ。

 

なぜ「メンタルコーチ」か

日本プロ野球の横浜ベイスターズに入団した内川は、入団3年目の秋に当時大学院で臨床心理学を専攻し、2軍の選手の心理面をサポートしていた武野氏と個人契約を結んだ。

現在の活躍を知る人は驚きかもしれないが、当時内川は「イップス」に悩んでいた。

その改善のために内川自身が「面接」を依頼したのが始まりだった。

その後内川は’08年と’11年には首位打者を獲得、’18年には2000本安打を放ち、大記録を達成した。

 

大選手に至るまでの道中に”メンタルコーチング”はどんな役割を果たしたのだろうか。

 

自分の弱さと向き合う

武野は、面接で「距離感」に注意を払った。

思い込みによって判断せず、常に「ニュートラル」な位置を保った。どっちが正しいかという綱引きをするのではなく、本人が話す内容に対して、「じゃあここは繋がっている」「こんな見方もある」とディスカッションを重ねる。

武野氏は、

「基本的には自分自身の内面を見つめ、どうありたいかを探っていく作業を専門家としてサポートしている」

と話した。コーチングのスキルと似た手法である。

 

野球選手として順調に進んでいたように思える内川だったが、一つ、大きなターニングポイントがあった。

’13年の第3回WBCでの準決勝。プエルトリコ戦の2点ビハインド8回裏、1・2塁のチャンスを迎えた。その場面で内川は1塁走者だった。この場面でダブルスチールを敢行しようとした(チームのサインは定かではない)が、2塁走者はスタートせず、1塁走者の内川のみスタート。結果、挟まれる形となり、タッチアウト。そして準決勝で破れることになった。

私も今でもその場面のことを鮮明に覚えているが、これで流れは相手へと移ってしまう形となった。

内川は誰よりもその敗戦の責任を背負い、涙もしたが、ミスに向き合おうと何度も何度も映像を見返した。どこに判断ミスがあったのか、どこを改善すべきなのか。自問自答をし、徹底的に掘り下げた。

メンタルコーチの武野はここに内川の「強さ」があるという。

「見て見ぬ振りをして忘れてしまうのではなく、直視して乗り越えていく作業をやり切った。自分の弱さと向き合う凄まじさ、迫力を感じました」

自分の「弱さ」に向き合い、少しずつ前進していく。内川はアスリートとして30代後半、ベテランの領域に入る。それでも一線で長く活躍できている裏には、このような地道な作業、向き合おうとする姿勢があったことを知ると、何よりも大事なことで、これこそが「強さ」なのだということがわかる。

その陰で、時にヒントになり、支えとなるパートナーの存在は大きい。メンタルコーチの存在はまさに内川の一部だと思う。

 

〜まとめ〜🌱

強さとは弱さも含めた自分に向き合えること。
✅メンタルコーチはアスリートの伴走者。ニュートラルであり続けることでかけがえのないパートナーになり得る

 

今回はアスリートとしての内川選手の強さを知ることができたが、同時にメンタルコーチの価値もわかった。

個人の見解として、アスリートに限らず人は、自分の中で悶々と考え、思い悩み続けることがあまり良くはない。対話を通じて考えを言葉にし、表現して伝えることで、得られるものがあると思う。

まさに今、私もコーチングを受けている。話してみて、本当の自分の気持ちに気づくことがある。その繰り返しによって、自分自身が思い描く意思の道に近づける可能性が高まるのではないかと思っている。

メンタルコーチはこれからもアスリートを支え続けることができる。

 

 

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