2020年春、人々が想像もしなかった世界になった。
コロナウイルスの脅威は世界中を混乱させ、スポーツを止めた。スポーツが開幕する季節にスポーツは中止することを余儀なくされてしまった。
その最中、やり場のないアスリートたちは何を思い、そして何をして過ごしたのか。
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柳田悠岐の過ごし方
(写真:プロ野球ソウル)
究極のポジティブ思考
「シナリオ通り」とはいかないのが人生だ。
日本を代表するスラッガー柳田悠岐も、順調に、着実にキャリアを重ねてきた。
2020年、この年まで順調にできていれば、「海外FA権」取得のチャンスまであった。しかし、2019年の4月に怪我をして戦線離脱を経験。もし昨年から今年にかけて、ずっと一軍にいることができれば2020年のシーズンにFA権取得ができる予定だった。
しかし本人はその現実をすんなりと受け入れる。
「基本的に運命とか流れを信じるタイプ」とストレスは溜め込まない。
いま所属しているソフトバンクホークスとは、昨年オフの契約更新時に「7年」の複数契約を結び、メジャーへの夢も軌道修正した。
新型コロナウイルスの影響を受けても、ポジティブに思考をはたらかせる。
「今、このような状況で野球どころではないという考えもどこかにはありますが、いつ開幕してもいいように、そしてその時がきたら活躍できることをイメージしながら今は練習をしています。満員の球場で大歓声を浴びながら…なんて場面も想像します」
2020年3月31日〜4月8日までの期間、通常であればプロ野球が開幕している時期に、ホークスが球団ごと活動停止になった。柳田はその間、家でできる範囲のことをやってきたという。4歳と0歳の小さな子供を抱っこしてスクワットしたり、2人を同時に持ち上げてバーベルと見立てることで筋トレをしたり。ユーモアな発想で、自分の体を休めることはしなかった。
こんな状況下でも、「この状況をどうすればいい方向に進むのか」「もっとよくするにはどうすればいいのか」について考える。
こんな風に考えることは柳田にとって当たり前になっている。何があってもポジティブに考える癖付けがされている。
“我慢”の重要性
いま、野球選手として最も脂の乗る年齢。
同時に2児の父親でもある。柳田は子どもたちに対しても「この時期」の重要性を説いている。
「今はみんなが大変な思いをしています。子供たちは理解するのが難しく、ずっと家にいなきゃいけないので可哀想ですが、忍耐力がつくと思います。我慢はすごく大事なので、この経験が大人になって役に立つ日が来るはずです。こうやって物事をプラス思考で捉えるのはすごく大事」
自分自身だけではなく、「今のこの状況はプラスなんだ」と後世にも伝えていく。
プロのアスリート、影響力のある人間としての大きな役割も果たしている選手だ。
まとめ:良いことを考えよう!
✅目の前にある環境・状況を素直に受け入れて取り組む
✅大変な状況でも、我慢し、その状況をプラスに転換する
私の印象では、柳田のプレースタイルは、「力強さ」だった。フルスイング、パワー、圧倒的な打球飛距離。
でも思考は柔軟で、繊細だと感じた。ストレスを溜め込まないプラス思考で、コロナ禍の状況でも全ての日々が野球に通じることを理解している。
一流のアスリートは思考の軸がブレないので、プレーでもブレることが少ない。
やはり体や技の根幹を支える子は「心」の状態。気持ちと思考が一致すると心は安定感を増す。
今後の柳田の活躍にも目が離せない。