2011年 まだ記憶に新しい。
女子サッカーは日本中に元気と勇気を与えた。
東日本大震災。
2011年3月11日、悲惨な災害に東北を中心とする東日本が襲われた。
その重い雰囲気に見舞われた日本国民を明るく、そして勇気づけた。
当時、これができて、日本が立ち直ることができたのは、撫子たちの功績がはかり知れず、
そして彼女らにしかできなかったことなのかもしれない。
Contents
試合結果
順位 |
国名 |
勝点 |
勝 |
引 |
敗 |
得点 |
失点 |
得失点 |
1 | イングランド | 7 | 2 | 1 | 0 | 5 | 2 | 3 |
2 | 日本 | 6 | 2 | 0 | 1 | 6 | 3 | 3 |
3 | メキシコ | 2 | 0 | 2 | 1 | 3 | 7 | -4 |
4 | ニュージーランド | 1 | 0 | 1 | 2 | 4 | 6 | -2 |
(試合結果・画像 日本サッカー協会)
闘いの裏に
東日本大震災に見舞われた2011年、世の中では『絆』という言葉が頻繁に使われた。「人と人の結びつき」を象徴するような戦いを見せたのが、なでしこジャパンだった。体格差が歴然の海外勢を相手に、集団、組織力で対抗。手を取り合い、全員で強豪に立ち向かう姿は多くの人々の心を打った。(出典:FOOTBALL CHANNEL)
「私はサッカーでしか返せないから」
人々の想いも背負うことによる重圧は、それを経験した者にしかわからない。日の丸を背負うこと以上に、人の気持ちや想いを背負うということは大変なことなのではないかと思う。それを乗り越え、最高の栄冠をつかんだ彼女たちには、大会後に国民栄誉賞が送られ、新語・流行語大賞の年間大賞も受賞した。2011年、日本はなでしこジャパンによって元気づけられた。
元気と勇気を与えるチーム
「家に着いたとたんにガタガタときました。その2年前に新築の家を建てたんですが、『これは壊れるかも』と思うくらいの激しい揺れでしたね。揺れが収まってから、自宅の近所を見て回りました。ブロック塀が崩れてけがをしている人はいないかとか、火災が発生している家はないかとか。幸い、わが家の近所ではそういったことはなくて、自宅に戻ってからテレビで東北地方が津波被害を受けていることを知りました。JFA(日本サッカー協会)ともすぐに連絡を取って、しばらくして選手やスタッフが安全であることが確認できました(佐々木元監督)」(出典:Sports Navi)
当時の佐々木監督はこう振り返る。
地震による災害だけでは終わらなかった。福島原発の問題もあり、長きに渡り苦境を強いられていた。
日本が悲しみに打ちひしがれている中、彼女たちが国民に与えたものは元気と勇気、そして目には見えないものだった。
日本に元気を与えるプレー。
日本チームはこれを常に背負い、プレーをした。それは日本中が強く感じとり、海の向こう、世界中にも確実に伝わっていた。
・ドイツ(ビルト紙)「米国が2度、勝利を手中にしたかに見えたが、日本は闘志をむき出しにして追い付いた」
・ドイツ(フランクフルター・アルゲマイネ紙)「これほど情熱的で劇的な試合はない」
・ニューヨーク共同通信【東日本大震災からの復興】と表現。
・CNNテレビ「力強いプレーと意表を突く走りが、大震災からの復興を図る日本の国民を(大会を通じて)勇気づけた」
・ニューヨーク・タイムズ紙「復興への希望の上に築かれた勝利で、(大震災で)打撃を受けた国を盛り上げた」
・ウォールストリート・ジャーナル紙「なお大震災からの回復を図る国民にとっては、特に感動的な優勝」
・ジョージア州アトランタの地元紙「米国は敗れたが、女子サッカーがこれまで以上のファンを勝ち取ったことは確かだ」
各メディアが大会を振り返り、日本チームを称賛、そして世界中を感動させた。
想いは常に「日本のために」だったのかもしれない。
(写真:NHK 2019年5月19日)
〜MINEの視点〜
スポーツは政治利用されることは禁じられている。
しかし社会現象を起こすほどの威力を持っている。
なぜ人はスポーツに見せられるのか。
東日本大震災は多くの人の命を奪い、多くのモノや思い出をも破壊していった。
そうやって失ったモノを取り戻したり、日常に戻っていくことは至難のことだと思う。
今回、その最中にプレーを強いられ、そして大会前はこの快挙を予想されていたわけではない。
日本を代表して、日本の想いを背負い、まさに気持ちで勝ち取った勝利なのだと思う。逆境の中に見せた結果は、私たちに向けて、挑戦し闘い続けなければならないというメッセージになった。
スポーツはその競技をよく知らない人たちにもメッセージを与えることができる。
ルールを知らなくても、その選手の思いや考えが伝わってくることがある。
これがスポーツの醍醐味で、力で、素晴らしさだと私は思う。
もっともっと多くの、スポーツの魅力を伝え続けたい。
MINE