【キングカズ】こと横浜FCの三浦知良が偉業を達成した。
キングカズ最年長記録更新
8月5日に開催されたルヴァンカップCグループ第2節、サガン鳥栖戦に先発出場。2017年に土屋征夫(当時甲府)がマークした「42歳10カ月0日」の同大会最年長出場記録を「53歳5カ月10日」に更新した。試合は横浜FCが1-0で勝利した。
赤いキャプテンマークを巻き、2トップの一角で先発したカズ。序盤からハーフウェーライン付近の左サイドで突破を図ろうとした相手に対して、スライディングでボールを奪いに行くなど、積極的な姿勢を見せる。そして前半30分には右サイドの齋藤功佑から上がったクロスに対してゴール前でフリーとなると、身体ごと投げだすヘディングシュート。これはGK守田達弥の正面をついたものの、得点への嗅覚とキレを感じさせる動きだった。(NumberWeb)
カズは「ベンチに入らなければ、5人枠になっても当然出られないわけですから。なんとかベンチ入りする、スタメン入りするということを目標に毎日戦っている最中です」と語り、公式戦出場への闘争心を燃やした。
そしてさらに1ヶ月後、9月23日。J1リーグ戦では、今季リーグ戦初スタメンで出場し、これまでJ1最年長出場記録を保持していた中山雅史の45歳2カ月を大きく更新する、「53歳6カ月」の新記録を達成した。
この記録はおそらく今後、誰にも破られることもないであろうと言われている。
53歳。想像をはるかに超える数字だ。
かつてサンパウロ・ブラジルの地で共に汗を流したチームメイトからも驚きの声が届いている。
エドワルド・カッフェウ氏。1980年代、サンパウロ州内陸部に本拠を置くキンゼ・デ・ジャウーの副会長を務め、1984年から85年までU-20で、そして1988年にトップチームで活躍したカズ(三浦知良)を良く知る人物である。
「ブラジルでは試合のテレビ中継がなく、プレーが見られなかったのは残念。でも、我々もとても嬉しい。彼のような偉大な選手がかつてキンゼに在籍してくれたことを誇りに思う。カズを実の息子のようにかわいがっていたパウミーロは高齢で今、体調を崩して入院している。でも、彼にもこのニュースを伝えるよ。
カズにはパウミーロと一緒に東京での結婚式に招待してもらったし、数年前にもサンパウロ市内で会った。
そのとき『いつまでプレーするつもりなのか? 引退後は何をするか決めているのか?』と聞いたら『引退後のことは、何も考えていない。できるだけ長くプレーしたいんだ』と話していた。そして、まさにその通りのことをやっている。驚くべき男だ。本当にフットボールが好きなんだな」(NumberWeb)
海の向こうにいる元チームメイトだって驚くのは無理もない。
世界にも53歳でプレーする超人はいない。
まとめ:徹底的な準備が不可能を可能にする!
徹底的に自分を追い込む。とことん練習をしないと気が済まない。
カズのこの姿勢にはチーム関係者の誰もが感心していた。日本人とかブラジル人とかは関係なく、誰もが敬意を払い、認めていたという。
誰もやらないような準備量・練習量を積み上げることが、カズを誰も到達しなかった地点に導いた。
自分でも引退後のことは想像できないと話しているのだから、サッカーを始めた頃から心からサッカーを楽しみ、本当にサッカーが好きである気持ちが変わらないことは確かだ。
異次元にいるような選手に思えるが、そこに至るまでには、人が想像できないほどの「積み上げ」がある。